豚バラが脂身ばかりだった…捨てずに使い切る料理と、次に買うパックの見分け方

豚バラの脂身を生かす料理とパックの選び方を紹介する記事のアイキャッチ 豚肉の部位と調理法
スポンサーリンク

「安かったから買ったのに、広げてみたら脂身ばかりだった……」

豚バラをパックから取り出して、そんな気持ちになったことはありませんか。売場では赤身がほどよく見えていたのに、重なった肉をはがすと白い部分が多い。いつもどおり炒めたら脂がたまり、食べていて少し重く感じる。これでは、せっかく買ったのに損をした気分になりますよね。

私は食品スーパーの精肉部門で約25年働き、これまで5社で肉の加工や商品づくり、販売に携わってきました。豚バラはおいしい部位ですが、どのパックでも同じように使いやすいとは思っていません。脂の量と作る料理が合わないと、食べにくさが目立ちます。

ただ、脂が多かったからといって、一パック全部を諦める必要はありません。

使う量を減らす、料理を変える、調理中に余分な脂を取り除く。この3つを組み合わせると、使い道は広がります。

この記事では、脂の多い豚バラを生かせる料理から、脂っぽくしにくい調理法、保存の工夫、次に買うパックの見分け方まで紹介します。まずは、今ある肉をどの料理に回すか、一緒に考えていきましょう。

  1. 豚バラが脂身ばかりだった…まずは使い道を変えてみよう
    1. 豚バラは脂の多い部位でも、パックによって見え方や食べ応えが違う
    2. 脂が多い肉は「主役として大量に使う」より「少量でコクを足す」と考える
  2. 脂身の多い豚バラを捨てずに使い切る料理5選
    1. キャベツ・もやし炒め|豚バラを先に焼いて、出た脂の量を調整する
    2. 豚キムチ|肉を少なめにして、脂と濃い味を重ねすぎない
    3. 豚汁・具だくさんスープ|少量の豚バラで野菜をおいしく食べる
    4. チャーハン・焼きそば|細かく切って、追加の油を控える
    5. 餃子・肉団子の具|赤身の肉と合わせて脂の偏りを調整する
  3. 豚バラを脂っぽくしない下ごしらえと調理のコツ
    1. 追加の油は、豚バラの脂とフライパンの材質を見て決める
    2. 焼いて出た余分な脂は、味付けの前に取り除く
    3. 下ゆでは料理に合わせて使う|脂も風味も変わることを知っておこう
    4. 水分と脂は別に考える|肉と野菜を詰め込みすぎない
  4. 一度に食べ切れない豚バラは、小分けにして使い道を決めよう
    1. 一食分の主役にせず、炒め物・汁物用に分けておく
    2. 冷凍するなら薄く平らに|料理に使いやすい形で包む
    3. 脂身だけが残ったときは、少量のコク出しに回す方法もある
  5. 次は脂身ばかりで後悔しない!スーパーで豚バラのパックを見分ける方法
    1. 表面の一枚だけでなく、見える断面と重なり部分も確認する
    2. 脂の割合だけでなく、脂身の厚さと一枚ごとの偏りを見る
    3. 「国産」「ブランド」「特売」だけでは、脂の好みは判断できない
    4. 脂が苦手なら、肩ロース・ロース・ももも候補にする
  6. 豚バラを扱いやすくするフライパン・トング・キッチンペーパーの選び方
    1. フライパンは、肉を広げられる底面と手入れのしやすさで選ぶ
    2. トングは、薄切り肉を広げやすくフライパンに合うものを選ぶ
    3. キッチンペーパーは、余分な脂を取り除く用途に合うものを選ぶ
  7. まとめ|脂の多い豚バラは「料理・使う量・次の選び方」で無駄にしにくくなる

豚バラが脂身ばかりだった…まずは使い道を変えてみよう

脂身の多い薄切り豚バラを広げて使い道を考える様子

豚バラは脂の多い部位でも、パックによって見え方や食べ応えが違う

豚バラは、豚のお腹側にある部位です。赤身と脂身が層になって重なっており、焼いたときの香りや、煮込んだときのコクを楽しめます。

ただし、お腹側の肉が端から端まで均一なわけではありません。同じ豚バラでも、位置によって脂の厚さや赤身の入り方は違います。そこへ切る方向や厚さの違いが加わるため、一枚ごとの見え方も変わります。

精肉の加工や商品づくりでは、こうした肉の個体差や部位の中の違いを見ながら扱います。「豚バラ」という名前が同じでも、実際に目の前にある肉は一つずつ違うのです。

薄切り肉は折り重ねて盛り付けられていることが多く、表面から見える範囲にも限りがあります。上の一枚では赤身が目立っていても、広げると脂の厚い部分が出てくることがあります。

白い脂身が多いことだけで、傷んでいるとは判断できません。また、脂が多いという理由だけで、粗悪な肉と決めつけることもできません。

とはいえ、食べる人が「脂っぽくて苦手」と感じるなら、その好みは大切です。脂の甘さを楽しめる人もいれば、赤身をしっかり食べたい人もいます。

私は、肉を選ぶときは「世間でおいしいといわれる肉」よりも、自分や家族が食べやすい肉かどうかを優先してよいと思っています。

脂が多い肉は「主役として大量に使う」より「少量でコクを足す」と考える

脂の多い豚バラで困ったときは、一人前の肉の量をいつもより少なくし、ほかの食材と組み合わせてみてください。

例えば、普段の肉野菜炒めに豚バラを200g使っているなら、脂が特に多いパックでは、その量をそのまま入れる必要はありません。まず半量程度を使い、足りない食べ応えを豆腐や卵、別の肉などで補う方法もあります。

少量の豚バラでも、炒めた香りやコクは料理に生かせます。豚汁なら野菜の味を支え、チャーハンならご飯に風味をまとわせてくれます。

反対に、大きな脂身が目立つ肉をたっぷり焼き、脂の多いたれまで合わせると、食べ進めるのがつらくなるかもしれません。「豚バラだから、いつもの料理に同じ量を入れれば大丈夫」と考えないことが大切です。

使い道に迷ったときは、次の表を目安にしてください。

今の気分や困りごと向いている料理調整のポイント
今夜のおかずを手早く作りたいキャベツ・もやし炒め肉を先に焼き、余分な脂を取る
少ない肉でご飯の進むおかずにしたい豚キムチ追加の油と濃い調味料を控えめにする
一パックを何回かに分けたい豚汁・具だくさんスープ少量ずつコク出しに使う
大きな脂身の食感が苦手チャーハン・焼きそば小さく切り、脂の量を調整する
手間をかけて別の料理に変えたい餃子・肉団子赤身の肉と合わせる

無理に「豚バラをたくさん食べる献立」にしなくて大丈夫です。肉を食べ切ることだけでなく、料理としておいしく食べられる量を考えましょう。

脂身の多い豚バラを捨てずに使い切る料理5選

豚バラを使った野菜炒め・豚キムチ・豚汁・チャーハン・餃子

ここでは、スーパーで買う薄切りや切り落としの豚バラを中心に紹介します。厚いブロック肉は加熱の仕方が変わるため、同じ手順で短時間に仕上げようとせず、厚さに合った調理法を選んでください。

キャベツ・もやし炒め|豚バラを先に焼いて、出た脂の量を調整する

まず作りやすいのは、キャベツやもやしと合わせた炒め物です。冷蔵庫にある野菜を使いやすく、肉の量も調整できます。

ただし、肉と野菜を最初から全部入れると、豚バラの脂と野菜の水分が一度に出てきます。味を付けてもまとまりにくく、「脂っぽいのに水っぽい」という仕上がりになりがちです。

先に豚バラを食べやすい長さに切り、フライパンへ重ならないように広げて加熱します。肉から脂が出てきたら量を確認し、野菜を炒めるために必要な分だけ残してください。

肉に十分火を通して一度取り出し、残した脂で野菜を炒め、最後に肉を戻して味を付けると調整しやすくなります。大量に作るなら、肉も野菜も分けて加熱しましょう。

味付けは、塩こしょうと少量のしょうゆなど、まずはシンプルな組み合わせで十分です。最初から焼肉のたれをたっぷり入れると、脂の量や野菜の水分を確認しにくくなります。

ここで覚えておきたいのは、野菜を増やしても、すでに入れた脂そのものが減るわけではないということです。野菜を増やす工夫と、余分な脂を取り除く工夫は、分けて考えてください。

キャベツを一玉使って無理に薄めるより、豚バラを少なめに使い、出た脂を調整したほうが、食べ切りやすい量に仕上がります。

豚キムチ|肉を少なめにして、脂と濃い味を重ねすぎない

脂のある豚バラは、キムチの酸味や辛味と合わせる使い方もできます。少ない肉でも味がまとまりやすく、ご飯のおかずにしやすい料理です。

ただ、脂の多い肉に、ごま油、マヨネーズ、甘い焼肉のたれを重ねると、かなり濃厚になります。ご飯が進む味ではあっても、食べ終わった後に重く感じるかもしれません。

脂身が気になるパックを使う日は、まず追加の油を控え、豚バラからどのくらい脂が出るかを見てください。

作る順番は、豚バラを先に焼き、余分な脂を取り除いてから、玉ねぎやキムチを合わせる流れが分かりやすいでしょう。玉ねぎを多めに使う場合は、別に炒めておくと肉の加熱を調整しやすくなります。

キムチにはもともと塩味があります。肉と合わせてから味を確認し、しょうゆなどは足りない分だけ加えましょう。先に濃い味を付けると、後から戻すのが難しくなります。

辛味が強すぎるときは、卵を合わせる方法もあります。ただし、卵を入れれば脂がなくなるわけではありません。味の調整と脂の調整は、それぞれ行う必要があります。

私なら、脂の多い豚バラで作る日は、肉の量を控えて玉ねぎを組み合わせます。豚バラを山盛りにするより、肉・キムチ・野菜を一緒に食べたときのおいしさを狙いたいからです。

豚汁・具だくさんスープ|少量の豚バラで野菜をおいしく食べる

「今日は炒め物の気分ではない」「一度にたくさん使いたくない」というときは、豚汁や具だくさんスープが使いやすい選択肢です。

豚バラを少量入れるだけでも、野菜だけの汁物とは違うコクが出ます。大根、にんじん、ごぼう、白菜、きのこなど、家にある具材と組み合わせてください。

例えば家族分の豚汁を作るときも、脂の多い豚バラを一パック全部入れる必要はありません。まず少量を使い、具材や汁の量に合わせて調整します。

肉を先に炒める作り方なら、その段階で出た脂を取り除けます。だしと具材を入れて煮る作り方なら、煮汁の表面に浮いた余分な脂を、スプーンなどで少しずつすくう方法があります。

表面に浮く泡状のアクと、油の膜は同じものではありません。アクだけ取ったつもりでも、脂が多く残っている場合があるので、仕上がりを見ながら調整しましょう。

また、肉から脂が抜けて煮汁へ移っても、その汁をすべて飲めば、脂も一緒に口へ入ります。「汁物にすれば脂を気にせず食べられる」とは考えないでください。

豚バラを少量にし、必要に応じて浮いた脂を取り除く。そのうえで根菜や豆腐などを組み合わせると、肉を大量に入れなくても満足しやすい一杯になります。

余った分を翌日のために残す場合は、大鍋のまま室温で長く置かず、浅い容器に小分けして冷蔵し、食べるときに十分温め直しましょう。厚生労働省の家庭での食中毒予防でも、残った食品の小分け保存と十分な再加熱が案内されています。

チャーハン・焼きそば|細かく切って、追加の油を控える

「脂身の大きな塊をかんだときの食感が苦手」という人には、豚バラを小さく切って使う方法があります。

チャーハンなら細かめに、焼きそばなら一口で食べやすい大きさに切ります。長い薄切り肉をそのまま入れるより、ご飯や麺、野菜と一緒に食べやすくなります。

ただし、細かくしただけで脂の量が減るわけではありません。食感を調整するための切り方だと考えてください。

先に豚バラを加熱し、出てきた脂を見てから、ご飯や麺を入れます。底に脂がたまっているなら、必要な分だけ残して取り除きましょう。その後に追加する油は、フライパンの材質や食材の状態を見て決めます。

チャーハンでは、豚バラを少量使い、卵やねぎと合わせると、肉の風味を全体に行き渡らせやすくなります。肉を増やす代わりに、香りのある具材を使う考え方です。

焼きそばも同じで、ソースを入れる前に脂の量を確認してください。最後に「何だか重い」と感じてから脂を取ろうとすると、ソースまで一緒に取り除くことになります。

具材もご飯も全部一度に入れ、強火で何とかしようとすると、家庭のフライパンでは混ぜにくくなります。二人分でも量が多ければ分けて作ったほうが、脂の量も火の通りも調整しやすいですよ。

餃子・肉団子の具|赤身の肉と合わせて脂の偏りを調整する

少し手間をかけられるなら、豚バラを細かく刻み、餃子や肉団子の具に混ぜる方法もあります。

脂の少ない肉だけで作ると、好みによってはあっさりしすぎることがあります。そこへ少量の豚バラを合わせれば、コクや食感の調整に使えます。

ここで気をつけたいのは、脂の多い豚バラだけで具を作らないことです。脂身ばかりだった肉を大量に刻んでも、脂の偏りはそのまま残ります。

赤身中心の豚ひき肉や、細かく刻んだもも肉などに、豚バラを少しずつ合わせる使い方を考えてください。最初から全部混ぜず、肉全体を見て量を決めます。

キャベツや白菜を入れる場合も、野菜を増やせば必ずまとまるわけではありません。水分が多い具は包みにくくなり、肉団子なら崩れやすくなることがあります。作る料理の基本の配合を大きく崩さず、豚バラを一部として使いましょう。

味付けを確認したいときは、生の具を口にせず、少量を取り分けて中心まで加熱してから味見します。

餃子や肉団子は、外側が焼けても中が十分に加熱されているとは限りません。豚肉料理は中心まで火を通し、加熱の目安は中心部75℃で1分間以上です。厚生労働省の調理時の注意点

毎日の夕食でそこまで手をかけられない日は、無理に刻まなくても大丈夫。炒め物や汁物に回せばよいので、「使い切るために大仕事を増やさない」ことも大切です。

豚バラを脂っぽくしない下ごしらえと調理のコツ

火を止めたフライパンで豚バラから出た余分な脂を取り除く様子

料理を変えるだけでなく、油を足すタイミングや脂を取る順番も見直してみましょう。同じパックでも、調理中に調整できる部分があります。

追加の油は、豚バラの脂とフライパンの材質を見て決める

豚バラを焼くとき、「脂が出るから油はいらない」と聞いたことがあるかもしれません。

確かに、脂の多い肉では追加の油を少なくできる場合があります。ただ、どのフライパンでも、どんな肉でも完全に油なしでよいとは限りません。

表面加工のあるフライパンと、コーティングのない鉄やステンレスでは、食材を入れる前の準備が違います。使っている製品の説明書を確認し、その道具に合う方法で加熱してください。

脂の多い豚バラを使う日まで、普段の肉野菜炒めと同じ感覚で油を回しかけると、後から出た脂と重なります。まず必要最小限にとどめ、肉の状態を見て調整するとよいでしょう。

一方、くっつきが心配だからと油をどんどん追加するのも考えものです。肉が重なっていないか、フライパンの表面が傷んでいないか、予熱の仕方が合っているかも確認します。

私が道具と肉を組み合わせるときは、「油を使うか使わないか」の二択より、この肉を扱うのに必要な量はどのくらいかを考えます。

脂を控えたいからと、鉄フライパンの基本の扱いを無視する必要はありません。フライパンに必要な準備をしたうえで、肉から出すぎた分を取り除けばよいのです。

焼いて出た余分な脂は、味付けの前に取り除く

豚バラから脂が出てきたら、しょうゆやたれを加える前に量を確認してください。

味付け前なら、取り除くのは主に出てきた脂です。調味料を入れた後では、脂と一緒にたれまで取ってしまい、味が変わりやすくなります。

少量の脂なら、いったん火を止め、安定した状態で、調理用の吸油できるペーパーを菜箸などで保持して吸わせる方法があります。紙を直接手で押し込んだり、火を付けたまま鍋の外へ垂らしたりしないでください。

大量にたまっている場合は、無理に一枚の紙で全部吸おうとせず、肉を清潔な皿へ取り出し、やけどしないよう安全な方法で脂を処理します。取り除いた熱い脂を流しへ直接流すのは避けましょう。

脂をなくすために強火にし続けても、水分のように都合よく蒸発して減るわけではありません。肉が焦げたり、油はねが増えたりする原因になります。

また、肉をトングで強く押しつぶして脂を絞り出す必要もありません。赤身の水分まで失いやすく、食べたときに硬さが目立つことがあります。

狙いたいのは、脂を一滴も残さないことではなく、食べたときに重く感じにくい状態です。最初から全部取り切ろうとせず、料理に必要な分を残すくらいで考えると調整しやすくなります。

下ゆでは料理に合わせて使う|脂も風味も変わることを知っておこう

豚バラの下ゆでは、脂っぽさを調整する方法の一つです。ただし、どんな料理でも先にゆでたほうがおいしくなるわけではありません。

ゆでると、肉から出た脂の一部をゆで汁と一緒に取り除けます。一方で、肉の風味や食感も変わります。香ばしく焼いた豚バラを楽しみたい料理では、仕上がりの方向が変わってしまいます。

例えば、汁物へ入れる前に別の湯で加熱する方法は、脂を調整したいときの候補になります。下ゆでした肉を野菜と合わせ、ポン酢などで食べる使い方も考えられます。

ただ、薄切り肉を長時間ぐらぐらゆで続けると、赤身が締まって食べにくくなることがあります。厚いブロック肉の下ゆで時間を、そのまま薄切り肉へ当てはめないでください。

重なった肉はほぐして加熱し、その後の料理でも中心まで十分に火を通します。下ゆでの途中で調理を放置せず、料理を仕上げるところまで段取りを決めておきましょう。

「脂を落とすためにゆでたのに、硬くなってしまった」という場合は、肉の厚さと加熱の長さが合っていなかった可能性があります。

私なら、香ばしさを楽しみたい炒め物では、まず焼いて出た脂を取る方法を選びます。ゆでるのは、ゆでた肉の食感が合う料理に使う。料理に合わせて選べば、余計な下ごしらえを増やさずに済みます。

水分と脂は別に考える|肉と野菜を詰め込みすぎない

豚バラを炒めたフライパンに液体がたまると、「全部、脂が出たのかな」と思うかもしれません。

しかし、その液体には肉や野菜から出た水分が含まれていることがあります。解凍した肉の表面に残った水分や、キャベツ、もやし、玉ねぎなどから出た水分も、フライパンへ入ります。

脂を減らしたいときと、水っぽさを防ぎたいときでは、必要な工夫が違います。

脂は出てきた分を調整します。水分には、焼く前に肉の表面を押さえる、一度に入れすぎない、野菜を別に加熱するといった工夫が役立ちます。

家族分を一度で作りたい気持ちはよく分かります。ただ、フライパンの底が見えないほど肉と野菜を詰め込むと、途中で何がどのくらい出ているのか確認しにくくなります。

少しずつ肉を焼いて取り出し、野菜を炒めてから戻す。その手間によって、脂の量と水分をそれぞれ調整しやすくなります。

「脂っぽいだけでなく、いつも炒め物がべちゃっとする」という人は、当ブログのフライパンで肉を焼くと水浸しになるのはなぜ?「焼く」が「煮る」に変わる原因と道具の選び方|おすすめフライパン5選も参考にしてください。肉を入れる量や、野菜と合わせる順番を詳しく紹介しています。

一度に食べ切れない豚バラは、小分けにして使い道を決めよう

豚バラを一回分ずつ平らに包んで冷凍用保存袋に分けた様子

脂の多い豚バラが一パックあるからといって、今夜の料理へ全部入れる必要はありません。使う量を分けたほうが、献立の幅も広がります。

一食分の主役にせず、炒め物・汁物用に分けておく

一パックを使い切ろうとして、普段より多い肉を炒め物へ入れていないでしょうか。

家族の人数に対して肉が多すぎれば、料理の量も脂の量も増えます。残さないためにたくさん作ったのに、食べ切れずに残ってしまってはもったいないですよね。

例えば、300gのパックなら、炒め物に使う分と、後日の豚汁に使う分へ分ける考え方があります。脂の量や家族の好みに合わせて、分ける量は変えてください。

大切なのは、「半分残しておこう」だけで終わらせず、次の使い道まで決めることです。「これは豚汁用」と決まっていれば、冷蔵庫を開けたときに献立へつなげやすくなります。

肉が少なく感じる日は、豆腐や厚揚げ、卵、別の赤身肉などを組み合わせる選択肢もあります。豚バラだけで、おかずの食べ応えをすべて補おうとしなくて大丈夫です。

私も、肉の買い方を考えるときは、パックの価格と同じくらい「何回の料理に使えるか」を見たいと思っています。安く買えた肉を一度で無理に食べるより、気持ちよく使える量に分けるほうが、満足につながります。

冷凍するなら薄く平らに|料理に使いやすい形で包む

すぐに使わない分は、状態のよいうちに冷凍する方法があります。消費期限ぎりぎりまで冷蔵し、食べられるか不安になってから冷凍するのは避けたいところです。

薄切りの豚バラは、一回に使う分ずつ分け、厚い塊にならないよう平らに包みます。ラップで包んで冷凍用保存袋へ入れるなど、空気に触れる部分を少なくすると管理しやすくなります。

料理に使う大きさへ切っておく場合は、清潔な包丁やまな板を使い、作業後は手や器具を洗います。生肉を切ったまな板で、そのまま生食用の野菜を切らないようにしましょう。

袋には、保存日だけでなく「豚汁用」「焼きそば用」と書いておくと便利です。冷凍庫へ入れた後に、何の肉か分からなくなるのを防げます。

私は、冷凍保存で大事なのは、きれいに包むことだけではないと思っています。次に使うときの量と形まで決めておくと、使うのが面倒になりにくいからです。

解凍は冷蔵庫内などで行い、室温で長く放置しないようにします。冷凍しても、それまでの傷みが元に戻るわけではありません。購入時の表示や保存状態を確認し、早めに使ってください。厚生労働省の保存・解凍のポイント

脂身だけが残ったときは、少量のコク出しに回す方法もある

赤身のある部分を先に使った結果、脂身が目立つ部分だけ残ることもあります。

そうした部分は、細かく切り、炒め物やご飯ものへ少量使う方法があります。肉の主役として盛り付けるより、料理へ香りやコクを足す使い方です。

ただし、少量といっても、使う料理の量によって変わります。まず少し加熱して脂の出方を見て、必要以上に入れないようにしてください。

大きな脂身を取り除く作業が負担なら、無理に細かく仕分ける必要もありません。赤身と一緒に少量ずつ使う方法で十分な場合もあります。

また、取り除いた脂をすべて保存し、自家製ラードとして使い切らなければならないわけではありません。脂の保存と再利用には別の管理が必要になるので、今回の料理で出た余分な脂は、適切に処分してよいと思います。

この記事の「捨てずに使い切る」は、食べられる肉を料理に生かすための考え方です。異臭やぬめりなどの異常がある肉を、濃い味でごまかして使う意味ではありません。見た目やにおいだけで安全が保証されるわけでもないため、期限と温度管理も確認しましょう。

もったいない気持ちと、無理をすることは分けて考えて大丈夫です。

次は脂身ばかりで後悔しない!スーパーで豚バラのパックを見分ける方法

脂身の厚さと赤身の量が異なる豚バラのパックを比較

今ある肉の使い道が決まったら、次の買い物では見る場所を少し変えてみましょう。表面の印象だけで選ばないことが、後悔を減らす第一歩です。

表面の一枚だけでなく、見える断面と重なり部分も確認する

豚バラのパックを見るとき、最初に目へ入るのは、上に並んだ肉の色や盛り付けです。

赤身がきれいに見えると、パック全体も同じような肉だと思いたくなります。しかし、上の一枚だけでは、下に重なった部分までは分かりません。

確認したいのは、包装越しに見える肉の端や、折り返しの断面です。赤身の帯がどのくらい続いているか、白い脂の層がどこで厚くなっているかを見ます。

何枚かの端が見えるパックなら、一枚だけに注目せず、見える範囲全体を比べてください。大きな脂身が同じ場所に重なっていないかも、選ぶ手がかりになります。

ただし、包装を開けたり、指で肉を押して動かしたりする必要はありません。横や斜めから見える範囲を確認する程度にとどめましょう。

私自身、精肉の仕事をしていても、重なったパックの中身を外側から完全に言い当てられるとは考えていません。見えない部分は見えないままです。

だからこそ、「このパックなら絶対に脂が少ない」と断定するより、見える情報が多く、用途に合いそうなものを選ぶことが現実的です。迷う場合は売場の担当者へ、脂が少なめのものを探していると伝えてみてください。

脂の割合だけでなく、脂身の厚さと一枚ごとの偏りを見る

パック全体が白っぽいか、赤っぽいかだけで判断すると、実際の食べ応えを想像しにくいことがあります。

同じように脂が見えていても、細い脂の層が赤身と交互に入っている肉と、大きな脂身が一部分にまとまった肉では、口へ入れたときの印象が違います。

脂身をかむ食感が苦手なら、面積だけでなく、脂の層の厚さを見てください。一口の中に大きな白い部分が入りそうかどうか、という見方です。

さらに、一枚ごとの偏りも確認します。見える肉の中で、赤身のあるものと脂の多いものの差が大きければ、料理に合わせて使い分ける必要があるかもしれません。

野菜を巻いて焼く料理なら、長さや厚さがそろっているほうが扱いやすくなります。細かく切って豚汁へ入れるなら、形のそろい方より、使う量を調整しやすいかが大切です。

「赤身と脂身が何対何ならおいしい」という、一つの正解を無理に探す必要はありません。作る料理と、脂の好みによって答えは変わります。

精肉のプロとして見ても、赤身の多いパックがいつも上とは思いません。ただ、脂が苦手な人には、赤身の帯が確認しやすく、大きな脂身が目立ちにくいものを候補にしてほしいです。

「国産」「ブランド」「特売」だけでは、脂の好みは判断できない

売場で「国産」「ブランド豚」「本日のお買い得」と書かれていると、選ぶ理由になりますよね。

産地や銘柄、価格は大切な情報です。ただ、それだけで目の前のパックの脂が好みに合うかどうかは決まりません。

国産なら必ず脂が少ない、ブランド豚ならどの部分も自分好み、特売なら脂が多い。そうした単純な分け方はできません。同じ商品表示でも、実際に入っている肉の見え方は確認したいところです。

値段を比べるときは、100g当たりの単価に加え、その日に必要な量も考えてください。小さなパックは単価が少し高くても、無理なく使い切れることがあります。

例えば、特売の大容量パックを買っても、脂が苦手で食べ進まず、使い道にも困るなら、安さのメリットを感じにくくなります。反対に、小分けにして何度も使える家庭なら、大容量が便利な場合もあります。

私の本音としては、精肉売場のお買い得は「価格が安い」だけでは完成しません。買った人が、作りたい料理に使えて、おいしく食べられてこそだと思います。

値札を見た後に、もう一度肉を見る。そして「今夜、これをどう使うか」を考える。その一呼吸が、安さだけで選んだときの後悔を減らしてくれます。

脂が苦手なら、肩ロース・ロース・ももも候補にする

豚バラの脂が毎回つらいなら、豚バラの中だけで好みのパックを探し続けなくても大丈夫です。

作る料理によっては、肩ロース、ロース、ももなどへ替える選択肢があります。脂のつき方と食感が変わるため、好みに合う部位を見つけやすくなります。

肩ロースは赤身の中にも脂が入り交じる部位です。豚バラの大きな脂身が苦手でも、肩ロースなら食べやすいと感じる人もいるでしょう。ただし、肩ロースにも脂や筋の違いがあります。

ロースは赤身と外側の脂の境目が分かりやすく、一枚肉として使いやすい部位です。赤身を楽しみながら脂の部分も確認したいときに候補になります。

ももは赤身中心で、あっさりした料理に使いたいときの選択肢です。一方で、脂が少ないぶん、加熱しすぎると硬さやパサつきが気になることがあります。

生姜焼きなど、部位を替えて作りやすい料理の違いは、「生姜焼き用」の豚肉はどこの部位?ロース・肩ロース・ももで変わる選び方で紹介しています。

ももを買ってみたい人は、豚もも切り落としが硬い!安さで買って後悔しない料理の選び方と下ごしらえも合わせて読んでみてください。

「脂を減らしたい」だけで部位を替えるより、選んだ部位に合う切り方や料理まで考えると、次の買い物が成功しやすくなります。

豚バラを扱いやすくするフライパン・トング・キッチンペーパーの選び方

豚バラの調理に使う鉄フライパン・シリコントング・キッチンペーパー

脂の多い豚バラを扱うために、特別な道具を一式そろえる必要はありません。今ある道具でできる工夫を試し、使いにくさが残る部分に合わせて選ぶと、買い物の目的がはっきりします。

フライパンは、肉を広げられる底面と手入れのしやすさで選ぶ

豚バラを焼くフライパンは、肉を重ねずに置けるかを確認したいところです。

「26cm」と書かれていても、それは通常、上部の直径を示しています。側面の傾斜によって、肉を実際に並べられる底面の広さは違います。

家族分の肉を何度かに分けて焼くなら、持ちやすさや洗いやすさも大切です。大きければ便利とは限らず、重くて出し入れが面倒になると使いにくくなります。

香ばしく焼くための候補として、当ブログのフライパン記事では、リバーライト 極JAPAN フライパン26cmを紹介しています。

鉄製で、特殊熱処理によってさびにくくしたシリーズです。使い始めの油ならしや、調理時の予熱・油の扱いなどは、メーカーの手順に合わせます。詳しい準備や手入れは、リバーライト公式の取扱説明書を確認してください。

鉄フライパンは、道具の扱いを覚えながら使いたい人の候補です。毎日の手入れの気軽さを優先するなら、表面加工のあるフライパンを選ぶ考え方もあります。

また、フライパンを替えても、豚バラそのものの脂が少なくなるわけではありません。脂の調整には取り除く作業が必要ですし、水分対策には焼く量や順番の見直しが必要です。

材質の違いやほかの商品も比べたい人は、フライパンで肉を焼くと水浸しになるのはなぜ?「焼く」が「煮る」に変わる原因と道具の選び方|おすすめフライパン5選を参考にしてください。Amazonや楽天で探すときも、サイズや材質を合わせて確認しましょう。

トングは、薄切り肉を広げやすくフライパンに合うものを選ぶ

薄切りの豚バラは、パックの中で重なっています。そのまままとめてつかんでフライパンへ入れると、肉が折れたまま固まり、広げ直す手間がかかります。

一枚ずつ取り出して広げたり、焼けた面を確認したりするときに、トングがあると便利です。選ぶときは、先端の形、開く幅、握るときの力を確認してください。

家庭のコーティングフライパン用として候補になるのが、貝印 SELECT100 シリコーントング24cm(DH3140)です。

シリコーンで覆われた先端を持ち、内側の突起で食材をつかむ設計です。全長は24cmで、収納時のロック機能と食洗機対応を備えています。コーティングされた鍋やフライパン向けの商品として案内されています。貝印公式の商品情報

耐熱温度は部位によって違い、シリコーン部分は200℃、ABS樹脂製のツマミは90℃です。熱いフライパンの上へ置きっぱなしにせず、使ったら火元から離して置きましょう。

先端がシリコンなら、すべての薄切り肉を必ずつまみやすいとも限りません。肉の小さな端を狙いたい人は、先端の厚さや形も見てください。

素材ごとの選び方を比べたい場合は、シリコントングとステンレストング、肉を焼くならどっち?フライパン・鉄板・BBQ別に比較で詳しく紹介しています。

商品を探す際は、「SELECT100 シリコーントング24cm」に加えて、品番の「DH3140」も確認すると、サイズ違いや別の商品との取り違えを防ぎやすくなります。

キッチンペーパーは、余分な脂を取り除く用途に合うものを選ぶ

豚バラの脂を調整する場面では、キッチンペーパーも役立ちます。新しいフライパンを買う前に、身近な道具で試しやすい工夫です。

ただし、キッチンペーパー、クッキングペーパー、クッキングシートは、名前が似ていても用途が同じとは限りません。

肉の表面の水分を押さえる、出てきた脂を吸わせるといった用途には、吸水・吸油に使える調理用のペーパーを選びます。食材をくっつきにくくするシートを、そのまま脂を吸う紙の代わりにはしないでください。

購入時は、「油切り」「水切り」などの用途表示と、使い方を確認しましょう。濡れたときの破れにくさや、必要な大きさへ取り分けやすいかも、日常の使いやすさにつながります。

使う際は火を止め、紙が炎や熱源へ近づかないようにします。フライパンへ敷いたまま焼く使い方は、製品が対応しているか分からない状態で行わないでください。

生肉のドリップを拭いた紙は、そのまま野菜や食器へ使い回さず処分します。脂を吸って熱くなった紙も、すぐ素手で握り込まないようにしましょう。

私は、道具を選ぶときには、価格よりも「困っている作業を楽にできるか」を見たいと思っています。今あるフライパンとトングで十分に調理できるなら、買い替える必要はありません。

まずは肉を少量ずつ焼き、余分な脂を取る。その作業を何度か試すと、底面の広さが足りないのか、肉をつかみにくいのか、自分に必要な道具が見えてきます。

まとめ|脂の多い豚バラは「料理・使う量・次の選び方」で無駄にしにくくなる

豚バラとキャベツの炒め物をご飯やみそ汁と合わせた食卓

豚バラを広げて脂身ばかりだと、がっかりしますよね。安く買った肉でも、楽しみにしていた料理に合わなければ、損をした気持ちになるのは自然です。

そんなときは、一パック全部を、いつもの料理へ同じ量だけ入れようとしなくて大丈夫です。

キャベツ炒めや豚キムチなら、肉を先に焼いて余分な脂を調整する。豚汁なら少量ずつコク出しに使う。チャーハンや焼きそばなら小さく切り、追加の油を控える。手間をかけられる日は、赤身の肉と合わせて餃子や肉団子にする方法もあります。

一度に食べ切れない分は、使い道を決めて小分けにしましょう。無理に脂を全部食べる必要も、全部保存して再利用する必要もありません。

次に買うときは、表面の一枚だけでなく、見える断面、脂身の厚さ、一枚ごとの偏りを確認してください。脂が苦手なら、肩ロースやロース、ももへ選択肢を広げてもよいのです。

まずは今ある豚バラで作りたい料理を一つ決め、使う量を分けるところから始めてみてください。 脂身ばかりでがっかりした一パックも、使い方を変えれば、次の献立に生かせます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました