スーパーマーケット精肉|売上がアップする鶏肉売場を作るための7つの方法

スーパーマーケット精肉|売上がアップする鶏肉売場を作るための7つの方法 プロが教える裏話・売場トーク
スポンサーリンク

「もも肉はよく売れるのに、むね肉が残ってしまう」

「特売の日は忙しいけれど、値引きまで含めて考えると利益が残らない」

「夕方になると唐揚げ用がなくなる。でも、朝から多く作ると売れ残る」

鶏肉売場を担当していると、こんな悩みにぶつかることはないでしょうか。

鶏肉は、唐揚げ、照り焼き、親子丼、チキンカツ、煮込みなど、毎日の食卓で出番の多いお肉です。価格を気にするお客さんにも選ばれやすく、精肉部門の中で大切な役割を持っています。

ただ、毎日売れる商品だからこそ、「いつもの商品を、いつもの量で並べる」という仕事になりやすいところもあります。

お客さんが探しているのは、単に安い鶏肉とは限りません。「今日は切る時間がない」「二人分だけ欲しい」「むね肉を買っても上手に料理できるか不安」。そんな事情まで考えると、売場で見直せることが見えてきます。

私は食品スーパーの精肉部門で約25年働き、5社を経験してきました。その立場からお伝えしたいのは、鶏肉売場の改善は、価格、量目、用途、加工、売る時間をつなげて考える仕事だということです。

この記事では、次の7つの方法を紹介します。

  1. 部位ごとの役割を明確にする
  2. 献立と用途で選びやすくする
  3. 価格差と価値を伝える
  4. 人数と予算に合う量目をそろえる
  5. 加工・盛り付け・鮮度管理を整える
  6. POPと調理のコツで購入を後押しする
  7. 時間帯に合わせて製造・補充する

売上に悩んでいる担当者の方も、これから鶏肉売場を任される方も、今の店で試せそうなことを探しながら読んでいただければと思います。

  1. 鶏肉売場の売上が伸びないとき、最初に見直したいこと
    1. 売上だけでなく、販売重量・パック単価・部位別の動きを見る
    2. もも肉だけが売れる理由を「むね肉は人気がない」で片付けない
    3. 客層と作業量に合わせ、改善する商品を一つ決める
  2. 方法①・②|部位と献立を結び付け、鶏肉を選ぶ迷いを減らす
    1. ① もも・むね・ささみ・手羽類に、それぞれの役割を持たせる
    2. ② 唐揚げ・照り焼き・親子丼など、今夜の献立を提案する
    3. 一枚肉・切り身・唐揚げ用は、調理の手間で選べるようにする
  3. 方法③・④|価格と量目を整え、予算に合う鶏肉パックを増やす
    1. ③ 特売品・普段使い・銘柄鶏の価格差を分かりやすくする
    2. ④ 少量・標準・大容量をそろえ、人数と使い切りやすさに応える
    3. 大容量を増やす前に、販売重量と売れ残りを確認する
  4. 方法⑤|加工・盛り付け・鮮度管理で、買った後も満足できる商品にする
    1. ⑤ 皮・脂・筋・切り身の大きさを、用途に合わせて整える
    2. 表面の見栄えと、パックを開けたときの納得感をそろえる
    3. ドリップ・包装・陳列量を確認し、店舗の管理基準を守る
  5. 方法⑥|献立POPと調理のコツで、鶏肉を買う理由をつくる
    1. ⑥ 「安い」「おすすめ」だけでなく、料理と便利さを伝える
    2. むね肉のパサつきと、厚いもも肉の加熱の不安に応える
    3. 温度計やトングは、家庭で困る場面に合わせて紹介する
  6. 方法⑦|夕方の欠品と売れ残りを減らし、改善を数字で確かめる
    1. ⑦ 唐揚げ用や主力商品を、お客さんが買う時間に用意する
    2. 販売点数・販売重量・値引き・粗利益額を一緒に見る
    3. 一つの商品から試し、曜日や特売条件をそろえて比較する
  7. まとめ|鶏肉売場の売上アップは、買いやすさと料理の成功を支えること

鶏肉売場の売上が伸びないとき、最初に見直したいこと

鶏肉売場の販売状況を確認する精肉担当者

売上だけでなく、販売重量・パック単価・部位別の動きを見る

鶏肉の売上が伸びないとき、すぐに「もっと安くしよう」「売場を広げよう」と考える前に、どこで購入が止まっているのかを確認してみてください。

売上は、販売パック数と平均パック単価に分けると整理しやすくなります。さらに販売重量を見れば、お客さんが購入している鶏肉の量が増えたのか、減ったのかも分かります。

例えば、価格を上げたことで売上は前年と同じでも、販売重量が減っている場合があります。数字だけなら横ばいですが、買われている鶏肉の量は少なくなっています。

反対に、小容量パックを増やして販売点数が伸びても、平均パック単価が下がり、売上が増えていないこともあります。

どちらも、売上だけを見ていると気付きにくい変化です。

次に、部位別の動きを確認します。もも肉、むね肉、ささみ、手羽元、手羽先など、それぞれどのくらい売れているでしょうか。

可能であれば、一枚肉、カット済み、味付け商品といった用途別にも分けて見ます。同じもも肉でも、一枚肉は残り、唐揚げ用が早く売り切れているかもしれません。

私が大切にしたいのは、数字を見て担当者を責めることより、売場を直す手掛かりにすることです。

「鶏肉が悪い」で終わらせず、「どの部位の、どんなパックが、いつ買われていないのか」まで考えると、改善する場所が具体的になります。

もも肉だけが売れる理由を「むね肉は人気がない」で片付けない

もも肉が売れること自体は、良いことです。唐揚げや照り焼きなど、お客さんが料理を思い浮かべやすく、使い慣れている方も多いでしょう。

ただ、むね肉が残る理由を「人気がないから」と決めつけると、改善できることを見落としてしまいます。

お客さんは、むね肉を買ってパサつかせた経験があるのかもしれません。一枚が大きく、使い切れるか不安なのかもしれません。

あるいは、「安いのは分かるけれど、今日は何を作ればいいのだろう」と迷っている可能性もあります。

このような不安があると、少し高くても、料理を作りやすいと感じるもも肉を選ぶのは自然です。

そこで必要なのは、むね肉を安くすることだけではありません。チキンカツ、蒸し料理、そぎ切りの炒め物など、買った後の使い方を伝えることです。

手羽元や手羽先にも同じことがいえます。骨付き肉は、食べ応えや料理の楽しさがある一方、食べやすさや調理の手間を気にする方もいます。

売れない理由をお客さんの好みだけに求めず、売場で減らせる迷いがないかを考えましょう。

客層と作業量に合わせ、改善する商品を一つ決める

鶏肉売場の正解は、店によって変わります。

単身のお客さんが多い店では、一枚入りや少量の切り身が選ばれやすいかもしれません。子育て世帯が多い店では、家族分の唐揚げ用や二枚入りの需要が大きいこともあります。

車でまとめ買いするお客さんが多い店と、徒歩で毎日買い物をするお客さんが多い店でも、使いやすい量目は違います。

私自身、5社を経験してきた立場として、「前の店で売れたから、今の店でも売れる」とは考えないようにしています。商品の名前が同じでも、お客さんの暮らしや来店する時間は違うからです。

さらに、作業できる人数、原料の供給、加工設備によって、続けられる改善も変わります。

カット済み商品を増やしたいと思っても、加工に時間を取られ、主力商品の補充が遅れるなら、そのままでは続きません。

まずは、一つの商品を選んでください。「夕方に欠品する唐揚げ用」「大きいパックだけ残るむね肉」など、困りごとがはっきりしている商品から始めると、結果を確かめやすくなります。

方法①・②|部位と献立を結び付け、鶏肉を選ぶ迷いを減らす

鶏もも・むね・ささみ・手羽類と献立に使う食材

① もも・むね・ささみ・手羽類に、それぞれの役割を持たせる

鶏肉売場を作るときは、各部位にどんな役割を持たせるかを考えます。

もも肉は、唐揚げ、照り焼き、親子丼など、日常の主菜を支える商品です。むね肉は、価格の買いやすさに加え、チキンカツや蒸し料理などの用途を伝えられます。

ささみは、一つずつ使いやすい形や、ほかの食材と組み合わせやすいことを紹介できます。手羽元や手羽先は、骨付きならではの食べ応えや、煮込み、焼き物などの楽しみにつなげられます。

大切なのは、もも肉以外を「安い商品」「健康を意識する人の商品」といった一つの理由だけで売ろうとしないことです。

お客さんは、その日の献立や家族の好みに合わせて選びます。部位の特徴と使い道を合わせて伝えると、選択肢が増えます。

部位向く料理の例売場で伝えたい一言購入時に迷いやすい点
もも肉唐揚げ、照り焼き、親子丼「今夜の主菜に使いやすい」一枚肉か切り身か、皮や脂の付き方
むね肉チキンカツ、蒸し料理、そぎ切りの炒め物「切り方を工夫して、毎日の料理に」パサつき、一枚の大きさ、使い切れる量
ささみフライ、和え物、サラダの具「少量ずつ使いたい料理に」筋の処理、加熱後の食感
手羽元煮込み、スープ、オーブン料理「骨付き肉の食べ応えを楽しむ」骨の分量、調理時間、必要な本数
手羽先焼き物、唐揚げ「週末の一品やおつまみに」食べやすさ、加熱の確認、量の選び方

料理の例は、商品の切り方や大きさ、調理方法によって変わります。表だけですべてを説明しようとせず、売っている商品の状態に合わせて言葉を選びましょう。

また、骨付き肉は、パックの重量がそのまま食べられる肉の量になるわけではありません。人数分を考えるお客さんには、本数や大きさも選ぶ手掛かりになります。

② 唐揚げ・照り焼き・親子丼など、今夜の献立を提案する

お客さんの中には、献立を決めて来店する方もいます。しかし、「冷蔵庫に野菜はあるけれど、主菜をどうしよう」と売場で考える方もいます。

そんなとき、商品名だけでなく料理の提案があると、購入後の使い方を想像しやすくなります。

「鶏もも肉切り身」に「今夜の唐揚げに」と添える。「鶏むね肉」に「そぎ切りにしてチキンカツに」と伝える。手羽元には「大根と一緒に煮込み料理に」と提案する。

難しい料理より、身近な食材で作れる料理のほうが、日常の買い物では取り入れてもらいやすいでしょう。

ただし、すべての商品に同じ料理名を付けると、違いが伝わりません。

一枚肉、唐揚げ用、小さめの切り身が並んでいるなら、それぞれに向く使い方を整理します。唐揚げ用にも「大きめで食べ応え」「小さめで弁当のおかずに使いやすい」など、実際の商品の特徴に合う説明ができます。

曜日や気温も、献立を考える手掛かりになります。週末は唐揚げや骨付き肉、肌寒い日は煮込みやスープなど、その日の食卓を想像してみてください。

一方で、季節の商品を増やすために、いつもの定番を見つけにくくしない配慮も必要です。新しい提案を楽しみたい方と、普段の商品をすぐ買いたい方の両方に応える売場を目指しましょう。

一枚肉・切り身・唐揚げ用は、調理の手間で選べるようにする

一枚肉とカット済み商品は、同じ部位でも購入する理由が違います。

一枚肉は、照り焼きにしたり、自分で好きな大きさに切ったりできる自由度があります。カット済み商品は、包丁やまな板を使う手間を減らし、調理を始めやすいことが魅力です。

その違いを、お客さんが見て分かる形にしたいところです。

例えば、一枚肉には「照り焼きやチキンステーキに」、唐揚げ用には「切る手間を省いて唐揚げに」、小さめの切り身には「親子丼や炒め物に」と添えられます。

ただ、「カット済みだから便利」と書くだけでは、少し説明が足りません。何を作るときに、どんな手間を減らせるのかまで伝えると、価格差にも納得してもらいやすくなります。

加工では、切り身の大きさにも気を配ります。大きい肉と小さい肉が混ざりすぎていると、家庭で同時に加熱したときに仕上がりがそろいにくくなります。

唐揚げ用を買ったのに、自宅でほとんど切り直す必要があれば、便利さを感じてもらいにくいでしょう。

私が商品づくりで大切にしたいのは、売場で選ばれる理由と、家で使って良かったと思う理由をつなげることです。カット済み商品は、その考え方が特に表れやすい商品だと思います。

方法③・④|価格と量目を整え、予算に合う鶏肉パックを増やす

少量・標準・大容量の鶏肉パック

③ 特売品・普段使い・銘柄鶏の価格差を分かりやすくする

鶏肉売場には、国産や輸入、一般的な商品や銘柄鶏など、価格の違う商品が並ぶことがあります。

担当者は仕入れや商品の違いを知っていますが、お客さんには「見た目が似ているのに、どうしてこちらは高いのだろう」と見えているかもしれません。

価格差の理由が分からなければ、安いほうを選ぶのは自然です。

少し価格の高い商品を販売したいなら、商品を置くだけでなく、選ぶ手掛かりを用意します。産地、銘柄、飼育に関する特徴など、仕入先の資料や表示できる情報を確認して伝えましょう。

「柔らかい」「うまみが強い」といった言葉も、根拠なく付ければよいわけではありません。お客さんが期待する内容と、商品について説明できることをそろえる必要があります。

また、高い商品を紹介するために、普段使いの商品が劣っているような説明をする必要もありません。

毎日の親子丼に使いたい方と、週末に少し料理を楽しみたい方では、求めるものが違います。予算に合わせて安心して選べる商品と、違いを楽しんで選べる商品を、両方用意したいところです。

特売のもも肉だけが目立つ売場では、ほかの商品が比較される前に買い物が終わることもあります。特売品を入り口にしながら、用途や量目の違う商品にも目が向く並べ方を考えてみてください。

④ 少量・標準・大容量をそろえ、人数と使い切りやすさに応える

鶏肉売場では、100g単価とパック総額を分けて考えることが大切です。

100g単価が安くても、内容量が多ければ、支払額は高くなります。担当者には値頃の商品でも、お客さんには「今日はそこまで使わない」と見えているかもしれません。

例えば、100g当たり税込128円の鶏肉を、内容量だけ変えて販売するとします。

内容量パック総額
250g320円
500g640円
1,000g1,280円

※説明用の仮定です。実際の価格や量目は、店舗の価格設定に合わせます。

同じ100g単価でも、300円台で一品作りたい方と、家族分をまとめて作りたい方では、選ぶパックが違います。

少量、標準、大容量を考える際は、内容量だけでなく、その商品をどう使うかも見ます。一枚肉なら、一枚入りと二枚入り。切り身なら、少人数分と家族向け。手羽類なら、本数と大きさが選ぶ手掛かりになります。

ただし、鶏肉は同じ枚数でも重量が変わります。「二枚入りだからいつも同じくらいの価格」とは限りません。ラベルの内容量と総額を見やすくし、枚数だけで誤解されない売場にします。

大容量は、まとめ買いや冷凍保存を考える方に便利ですが、すべてのお客さんに向くわけではありません。冷蔵庫や冷凍庫の空き、持ち帰る荷物の量を気にする方もいます。

量目は、多ければ良い、小さければ良いという話ではありません。今の店のお客さんが、無理なく使い切れる選択肢をそろえることが大切です。

大容量を増やす前に、販売重量と売れ残りを確認する

大容量パックは、売場にボリュームが出ます。パック単価も上がるため、売上を伸ばしたいときに増やしたくなる商品です。

しかし、売れる量以上に用意すると、値引きや売れ残りが増えます。見栄えが良くなったことと、お客さんに合っていることは分けて考える必要があります。

まず、量目別の販売点数と販売重量を確認します。大容量が動く曜日や時間も見てください。

週末は大容量が売れていても、平日の夕方は標準量が選ばれているかもしれません。特売時だけ大容量が動き、通常価格では残る場合もあります。

小容量を増やすときも、同じように確認します。販売パック数が増えても、全体の重量や売上が減っている可能性があるからです。

さらに、量目を増やすことで作業が複雑にならないかも考えます。すべての商品で三つの量目を作れば、トレーやラベルの管理、製造の段取りが増えます。

私の本音としては、量目の種類を増やすなら、売れることと、現場が続けられることを一緒に考えてほしいと思います。

まず販売量の大きい商品から試し、売れ方と作業の負担を確かめる。そのほうが、無理のない改善につながります。

方法⑤|加工・盛り付け・鮮度管理で、買った後も満足できる商品にする

鶏肉の切り身を整えて盛り付ける精肉担当者

⑤ 皮・脂・筋・切り身の大きさを、用途に合わせて整える

鶏肉の商品づくりでは、見た目と同じくらい、家庭で使いやすいことが大切です。

皮や脂が気になる方もいれば、皮を焼いて楽しみたい方もいます。そのため、取り除くほど良い商品になるとは限りません。

商品の規格と用途に合わせて、仕上がりを整えることが基本です。

もも肉の一枚肉なら、厚さや形の違いを確認し、商品の特徴が分かる状態で販売します。唐揚げ用なら、大きさのばらつきを小さくし、買った方がそのまま料理に使いやすい状態を目指します。

ささみは筋の扱いも購入後の使いやすさに関係します。処理済みの商品なら、その内容を正しく伝え、そうでなければ処理が必要なことを隠さない説明が親切です。

加工の基準が担当者ごとに大きく違うと、同じ商品名でも買うたびに印象が変わります。「前は使いやすかったのに、今回は切り直しが多い」という不満につながることもあります。

そこで、切り方や仕上がりの見本を共有し、判断の基準をそろえます。

ただ、忙しい現場で、一つのパックに時間をかけ続けることはできません。丁寧さと生産性を両立させるためにも、個人の器用さだけに頼らず、誰が担当しても一定の仕上がりになる方法を考えたいところです。

表面の見栄えと、パックを開けたときの納得感をそろえる

盛り付けは、お客さんが商品を選ぶときの大事な要素です。

切り身の形が見え、皮や肉の状態が分かるパックは、料理に使うイメージも持ちやすくなります。

ただし、表面だけを良く見せ、下の部分に小さい肉や皮の多い部分を偏らせるような盛り付けは、買った後の納得感につながりません。

一度は売れても、次に同じ商品を選んでもらえるかは別です。

「売場で見た印象」と「家で広げた印象」が大きく違わない商品を目指しましょう。大きさや形に違いがある商品なら、その特徴が伝わる盛り付けにします。

一枚肉を重ねる場合も、枚数やおおよその大きさが分かることを意識します。唐揚げ用なら、パックの中身を見て、料理に使いやすそうだと感じられる状態に整えます。

私が大切にしたいのは、特別な一パックだけをきれいに作ることより、毎日、期待に応える商品を作り続けることです。

売場で買いやすく、家でも使いやすい。その両方がそろってこそ、「次もこの店で買おう」という気持ちにつながると思います。

ドリップ・包装・陳列量を確認し、店舗の管理基準を守る

鶏肉売場では、ドリップ、包装、ラベル、商品の並び方などを日々確認します。

ドリップがたまったパックや、包装が汚れた商品は、買う方がためらう理由になります。ラベルが見にくかったり、商品が乱れていたりしても、比較しにくい売場になります。

ただし、見た目だけで鮮度や安全性を判断することはできません。温度、期限、加工や保管の手順など、店舗の管理基準を守ることが前提です。

陳列量も、見た目のボリュームだけで決めないようにします。

売れる量に対して並べすぎれば、商品が長く残り、状態を確認する負担も増えます。冷気の通りを妨げる積み方や、設備の指定を超える陳列も避ける必要があります。

追加補充ができる商品なら、少量ずつ出す方法も検討します。一方、補充できる時間が限られるなら、販売量の大きい商品を優先し、朝の陳列を組み立てます。

売場を埋めることが目的にならず、良い状態の商品を、お客さんが買う時間に用意することを目指してください。

方法⑥|献立POPと調理のコツで、鶏肉を買う理由をつくる

鶏肉料理と肉用温度計・トング

⑥ 「安い」「おすすめ」だけでなく、料理と便利さを伝える

「本日のおすすめ」「お買い得」と書かれたPOPは、商品の存在を知らせる役割があります。

ただ、その言葉だけでは、お客さんが何を作ればよいかまでは分かりません。

鶏肉売場では、料理名と便利さを組み合わせて伝えると、買った後の行動が具体的になります。

例えば、次のような提案が考えられます。

  • もも肉唐揚げ用:「切る手間を省いて、今夜の唐揚げに」
  • もも肉小切り:「玉ねぎと卵を合わせて親子丼に」
  • むね肉:「そぎ切りにしてチキンカツに」
  • 手羽元:「大根と一緒に煮込み料理に」
  • 味付け鶏肉:「合わせる野菜と調理方法を確認して、今夜の主菜に」

POPでは、情報を詰め込みすぎないことも大切です。平日の夕方に、長い説明を読む余裕がない方もいます。

料理名、合わせる食材、選ぶ理由になる一言を優先し、詳しい手順はレシピカードなどに分けると読みやすくなります。

味付け商品は、味の名前だけでなく、必要な材料や調理方法が分かることが便利さにつながります。「焼くだけ」と案内するなら、実際の商品の使用方法に合っているか確認してください。

加熱済みなのか、加熱が必要な商品なのかも、誤解されない表示が必要です。

私は、売場の言葉は立派な説明でなくてもよいと思っています。「冷蔵庫にある玉ねぎと使える」「今日は肉を切らずに済む」。そんな具体的な一言が、その日の買い物を助けることがあります。

むね肉のパサつきと、厚いもも肉の加熱の不安に応える

むね肉を買うとき、「またパサつかせてしまうかも」と心配する方がいます。

その不安に対して、安さだけを伝えても、買いやすくなるとは限りません。料理に合う切り方や厚さを考えること、調理方法に合う商品を選ぶことも説明したいところです。

例えば、厚さが大きく違うまま加熱すると、仕上がりがそろいにくくなります。料理に応じてそぎ切りにするなど、形を整える考え方は、家庭での扱いやすさにつながります。

ただし、柔らかく仕上げるために、加熱不足を勧める説明にはしません。食感の工夫と、必要な加熱の確認は両方大切です。

もも肉の一枚肉にも、別の不安があります。「表面は焼けたけれど、厚い部分まで火が通っているのだろうか」という心配です。

表面の焼き色だけで、中心まで十分に加熱されたとは判断できません。厚さや形、調理器具によっても条件は変わるため、詳しいレシピを案内する場合は、信頼できる食品安全情報と調理器具の使用条件を確認した内容にします。

そこで、家庭の調理を助ける道具の一つとして紹介できるのが、肉用温度計です。

種類による使い方の違いは、肉用温度計は刺したまま使える?瞬間測定型とオーブン対応型を間違えない選び方|おすすめ肉用温度計5選で詳しく紹介しています。

記事では、タニタ TT-583やThermoWorks Thermapen ONEなど、測定時に使う商品の候補が紹介されています。加熱中に刺したまま使うタイプとは、使用方法を分けて考えることが大切です。

温度計も、表示された数字を見るだけでよいわけではありません。感温部が適切な位置に入っているか、説明書に沿って測っているかまで含めて使います。

「加熱が不安だから道具を買う」という流れだけで終わらせず、使い方の分かる関連記事へつなげることで、読者の判断を助けられます。

温度計やトングは、家庭で困る場面に合わせて紹介する

鶏肉売場の記事に商品を紹介するときは、読者が今読んでいる話とのつながりを大切にします。

売場の改善を知りたくて読んでいるところへ、急に調理器具をたくさん並べると、話の流れが分かりにくくなります。

まず困りごとを説明し、調理の工夫を伝え、そのうえで必要に応じた道具を紹介しましょう。

温度計なら、厚い鶏肉の加熱確認という悩みにつながります。トングなら、鶏肉を返すときの扱いやすさや、調理器具に合う素材選びにつながります。

フライパンで鶏肉を焼く際、使っているトングが滑りやすい、肉を返しにくいと感じる方もいるでしょう。そのような場合は、先端の形や素材、握りやすさを比較する意味があります。

素材ごとの考え方は、シリコントングとステンレストング、肉を焼くならどっち?フライパン・鉄板・BBQ別に比較で紹介しています。

また、生肉を扱った道具と、加熱後の肉を扱う道具の使い分けも大切です。詳しく知りたい方には、焼肉トングは1本で大丈夫?生肉用と焼けた肉用を分ける本当の理由が参考になります。

商品を紹介するときは、「これを買えば料理が成功する」と言い切らず、どんな場面で役立つのかを伝えます。道具を増やす前に、今の使い方や調理の段取りを見直すことで解決する場合もあります。

なお、家庭向けに紹介する器具を、そのまま店舗の業務用として勧めるわけではありません。店内の調理や試食で使う道具は、店舗の運用、衛生管理、使用条件に合わせて選びます。

売場づくりの話から、家庭での料理や道具の知識へ自然につながる。そんな関連記事の配置なら、読者にとっても役立つ紹介になります。

方法⑦|夕方の欠品と売れ残りを減らし、改善を数字で確かめる

鶏肉売場に商品を補充する担当者

⑦ 唐揚げ用や主力商品を、お客さんが買う時間に用意する

朝にきれいな売場を作っても、お客さんが多い時間に必要な商品がなければ、購入してもらえません。

夕方には唐揚げ用が売り切れ、一枚肉だけが残っている。むね肉はたくさんあるけれど、少量パックがない。そんな状態なら、鶏肉全体の陳列量だけを見て安心しないことが大切です。

お客さんが探している商品がなければ、その方にとっては不足している売場です。

まず、何時頃に、どの商品が減るのかを確認します。部位に加え、一枚肉、カット済み、味付け、量目の違いにも目を向けてください。

「もも肉が足りなかった」より、「夕方に家族向けの唐揚げ用がなくなった」と分かるほうが、製造計画に生かしやすくなります。

そのうえで、朝に必要な量、昼以降に追加する量、夕方まで残したい品ぞろえを考えます。

すべてを追加製造で対応できるとは限りません。人員、原料、設備に制約があるなら、販売量の大きい商品や、代わりを選びにくい商品から優先順位を決めます。

欠品の時刻と商品を短く記録するだけでも、翌日の判断が具体的になります。

販売点数・販売重量・値引き・粗利益額を一緒に見る

売上を増やそうとして製造量を増やしても、値引きや廃棄が増えれば、利益が残りにくくなります。

改善後は、売上だけでなく、販売点数、販売重量、値引き、粗利益額などを合わせて確認してください。数字の定義や集計方法は、会社の基準にそろえます。

量目を変えたなら、パック数と重量を見る。特売を強めたなら、売上と粗利益額を見る。補充を増やしたなら、欠品と売れ残りを見る。

変更した内容に合う数字を選ぶと、結果を判断しやすくなります。

困りごと試す改善確認する数字・記録
むね肉の大きいパックが残る少量や標準量の割合を調整する量目別の点数、重量、値引き
唐揚げ用が夕方に欠品する製造・補充の時間を見直す欠品時刻、時間帯別の販売、残数
手羽類が選ばれにくい献立と本数が分かる提案を付ける対象商品の点数、売上、売れ残り
特売でも利益が残りにくい製造量と商品構成を調整する売上、値引き、廃棄、粗利益額
カット済み商品が動かない用途と便利さを伝える販売点数、重量、加工の負担

対象商品が売れても、ほかの鶏肉から購入が移っただけの場合があります。できる範囲で鶏肉売場全体も確認し、全体としてどんな変化があったかを見ましょう。

一つの商品から試し、曜日や特売条件をそろえて比較する

売場を改善しようとすると、価格、量目、POP、陳列位置をまとめて変えたくなることがあります。

ただ、一度に変更しすぎると、何が役立ったのか分かりにくくなります。作業の負担も増えるため、まず一つの商品、一つの変更から始めることをおすすめします。

例えば、むね肉の価格と量目は変えず、献立POPを付ける。唐揚げ用の規格はそのままで、追加製造の時間を変える。もも肉の小容量の割合だけ調整する。

このように絞ると、売れ方の違いを確認しやすくなります。

比較するときは、曜日、特売条件、天候、来店客数などにも目を向けます。前日より売れたからといって、POPだけの効果とは限りません。

忙しい仕事の中で、細かな分析を続けるのは簡単ではありません。それでも、「変えた内容」「対象商品」「売れ方」「作業で困った点」を短く残すだけで、改善の経験が積み上がります。

約25年の経験を踏まえても、私が大切にしたいのは、経験だけで決めつけないことです。現場で感じたことを数字と合わせ、今の店のお客さんに合う方法を探していきましょう。

まとめ|鶏肉売場の売上アップは、買いやすさと料理の成功を支えること

鶏肉売場で使いやすいパックを選ぶ買い物客

鶏肉売場の売上を伸ばすには、安く大量に並べることだけでなく、お客さんが選びやすく、家庭で使いやすい商品を考えることが大切です。

今回紹介した7つの方法を振り返ります。

  1. 部位ごとの役割を明確にする
    もも、むね、ささみ、手羽類を選ぶ理由を伝える。
  2. 献立と用途で選びやすくする
    唐揚げや親子丼など、買った後の料理を思い浮かべてもらう。
  3. 価格差と価値を伝える
    予算と好みに合わせて、納得して選べる説明を用意する。
  4. 人数と予算に合う量目をそろえる
    100g単価に加え、パック総額と使い切りやすさを見る。
  5. 加工・盛り付け・鮮度管理を整える
    売場での印象と、家庭で使ったときの満足をつなげる。
  6. POPと調理のコツで購入を後押しする
    料理の不安に応え、必要な道具の情報へ自然につなげる。
  7. 時間帯に合わせて製造・補充する
    お客さんが買う時間に主力商品を用意し、数字で改善を確かめる。

明日から始めるなら、主力商品の量目、夕方の欠品、むね肉や手羽類の献立提案の中から、一つを確認してみてください。

忙しい現場で、すべてを一度に変える必要はありません。お客さんが迷う理由を一つ減らし、買って良かったと思える商品を一つ増やす。その積み重ねが、選ばれる鶏肉売場づくりにつながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました